個人情報保護委員会と政治団体オープンサイエンスの裁判について、2023年3月9日に東京地方裁判所で下された判断は「原告の請求を棄却する」。今日はこの裁判結果について、コメントしたい。
破産者情報通知サービスをめぐり、政治団体オープンサイエンスへの勧告、命令の過程で、個人情報保護委員会の職員と文書や電話で相当のやりとりをしたが、個人情報保護委員会は「サイトが個人情報保護法に違反していると認めた」と主張し、こちらの質問に対しては一切答えず、命令まで一方通行で手続きを進めていった。そのため、個人情報保護委員会が官報や破産者情報通知サービスについて、どのように考えているのか分からず、多くの、そして根本的な疑問が解決されないままになっていた。
第一審の東京地方裁判所では、政治団体オープンサイエンスの主張が認められなかったが、有り難いことに、政治団体オープンサイエンスの主張について、裁判所が1つずつその内容を検討し、判決文に書き記したので、納得できない部分も多いが、多くの疑問に、何らかの説明が付いたことは大きな前進だ。個人情報保護委員会の一方的な不合理な主張について、一部にせよ裁判所が認めなかったことは、今後の個人情報保護委員会の判断に、少なからず影響を与えるだろうとみている。
判決文には、事実認定の誤りや、判決文内で論理的に矛盾する記述が含まれている。加えて、判決文から新たな疑問が生まれている。第一審で判決を得たことにより、ある一定の成果を得られたと考えているが、さらなる追求の必要があると考え、東京高等裁判所に控訴した。