(2023年10月20日:報道)
破産者マップ裁判を巡り、東京地方裁判所(本田能久裁判長)で、第3回目となる進行協議(非公開)が16日に行われていたことが、関係者の話で分かった。
関係者によると、原告からは、山川幸生氏や小梁吉章氏らの論文、中央大学大学院法務研究科教授佐藤鉄男氏の意見書、被告からは、国外の官報と破産者のプライバシーに関する調査報告書が裁判所に提出された模様だ。
関係者は取材に対し「裁判所は官報公告における破産者のプライバシーと国民の知る権利について、憲法学者の意見や見解、国外の類似事例を調査し報告するよう、原告と被告の双方に求めていた。原告が裁判所に提出した論文や意見書は、裁判所の求めに応えていない。米国、アジア、ヨーロッパ各国では、官報公告を通じ破産者の情報が広く知らされ、インターネットで簡単に破産者の情報を調べることができる。さらに、民間企業が破産者情報を蓄積し、広く情報が流通、使用されている。日本でも、破産者情報は広く流通し、使用されており、金融機関、信用情報機関、不動産会社、保険会社、警備会社、リース事業者のみならず、幅広い業種で、与信審査、人事採用・人事評価の場面で破産者情報が使われている実態がある。国民の権利義務に係る官報に破産者情報が掲載されている以上、今後も破産者情報は「公的関心事」の対象となり得るだろう」と述べた。