2023年1月11日、新破産者マップに対する新しい動きがあった。個人情報保護委員会が、新破産者マップ(URL:hasanmap.org)の運営者を警視庁に刑事告発したという。個人情報保護委員会が、個人情報保護法に違反したとして刑事告発したのは、日本で初めてのことになる。この件については、ヤフーニュースをはじめ、各種ニュースサイトに取り上げられている。
個人情報保護委員会は、新破産者マップについて「破産手続き開始決定又は民事再生手続き開始決定を受けた個人の指名及び住所といった個人データが、不特定多数の者による当該個人に対する人格的・財産的差別が誘発されるおそれがあることが十分に予見できるにもかかわらず、インターネット上に公開されている地図データと紐付けられる形で表示されており、もって、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法により個人情報が利用されている」として、個人情報保護法第19条に違反する事実があるとしている。
2022年3月、「破産者情報通知サービス」(政治団体オープンサイエンスが運営し、現在はデータの第三者提供停止中)が個人情報保護委員会から、サイト停止命令を受けた。その後、サイトに対する命令取消しを求め、東京地方裁判所で個人情報保護委員会と裁判をしている私からみると「破産者情報サイト」は新たな局面にはいったといえる。
「旧破産者マップ」「モンスターマップ」「自己破産・特別清算・再生データベース」「破産者情報通知サービス」。。。これまで数々の破産者情報サイトが生まれ、個人情報保護委員会からの命令を受け、破産者情報サイトは閉鎖していった。
ところが、新破産者マップは、それまでの破産者情報サイトとは違い、個人情報保護委員会による「勧告」「報告徴求命令」にも従わないばかりか、「サイト停止命令」にも応じず、「刑事告発」された現在においても、破産者データを更新し続けている。
私のところには、今回の報道で「新破産者マップ」を知り「近所に破産者が5人もいた」「同じマンションにこれほど破産者がいるとは知らなかった」「同級生だった知人が破産しているのを見つけた」との報告が次々と寄せられている。「新破産者マップ」は現在も稼働しており、個人情報保護委員会やメディアは「新破産者マップ」の宣伝に手を貸した形となっている。
官報の破産情報は、元々国民に広く知らせるために住所・個人名まで国が公開しているのもの。また、世の中には官報の破産者情報を検索可能な形にまとめて有料で販売している会社が昔から存在しています。昔からやっている会社なら破産情報をまとめて公開してもOKで、一個人やるとダメ、刑事告発するは全く意味不明。どのような理由でダメと言っているのかについては詳細確認していませんが、誰も納得できる理屈が構築できるとはとても思えません。やはり今後、官報に破産情報を載せるべきか?まで踏み込んできちんと議論し結論付けないと根本的解決にはならないと思います。
破産者情報は国が公表しても良いけど、それを個人がまとめたら犯罪?どうして?よくよく考えたら理屈が破綻してるよね。
破産に関する情報は、その情報が必要な人(たとえば債権者とか、破産者が欠格事由となる業務や職種など)がいるため、官報で公表していると思われる。
しかし、「破産者サイト」のように、誰もが(情報が不要な人が単なる好奇心で)容易にアクセスできるようにするのは、問題だろう。
ただ、もう官報に載せるのはやめたほうがいいのではないか?
官報自体がインターネット官報として国立印刷局のウェブサイトでPDFになって公表されています。興味本位で誰でも見られます。
お手軽に借金踏み倒す様な輩の情報は皆んなが共有出来た方が良い。
隠しておきたい過去や、秘密にしておきたい人生などを持って生きている人は多いと思います。官報の閲覧が自由にできて、それを公にするのは問題だと感じます。
破産法に規定されている免責不許可事由にいくつ該当していても、破産申請された99.99%は免責が認められることは弁護士皆が認めていること。
実際、私は、4000万円を移動させて破産申請したケースで、その証拠をつけて警察に訴えたけれど警察も動かず、裁判所によって免責も認められたという話を弁護士から聞いている。
また、私の兄は、自分の土地建物を売ったことにして子供の名義に変え、免責して欲しいと裁判所に申請した自分の借金の額よりも多額の子供の住宅ローンの返済をしていることを裁判所が認めたにも係わらず免責は認められ、自分の財産を全て守った上で、借金を踏み倒すことに成功している。
このように、裁判所や警察が詐欺を支援する限り、我々は自分たちで自らを守るしか方法がなく、むしろ、住所と名前の公表は積極的に行われるべきと考える。
この刑事告発は、運営者が個人情報保護委の指示をガン無視していて、このままだと主管官庁としての面目丸潰れなのでメンツ維持のために刑事告発したという以上のものではないだろう。
サイトに掲載されるされないで大騒ぎだが、それ自体が若干大袈裟なんではないかとも思う。個人破産を選択した以上、他人にした借金踏み倒すのだから信用に多少の棄損は免れず、そこを徒に覆い隠そうとするのは破産者に都合がよすぎる気がするし、一方で、別に個人破産したからって制度的に自殺等に追い込まれねばならないほどのペナルティがあるものではない。個人の自己破産という制度は、「あっそうですか」程度で済む程度の話です、という共通理解を皆に広げることの方が重要だろう。あとは、それでも被害を受けたと思われる人は、当該サイトの運営者を名誉棄損か何かで訴えて、損害賠償を受ければ済むだけの話で、そのために必要な法整備をすればよいだけかと。
確かに官報を見れば知れる内容なんだけど、
地図で見れるのは特定しすぎなんじゃないかと思います。というのも、昔保有していたアパートに住んでくれてた人が破産したらしく、このマップに乗りましたが、次に住みたいと相談に来てくれた人から、「このマップから消してほしい」と言われたことがあります。
自分が今後住むであろう部屋番号まで記載されてるのは、名前が違ったとしても、身内じゃなくてもいい気分はしないですよね。
官報で住所公開されてるのに、地図に載せたらだめ?意味不明すぎる