新破産者マップ5

投稿者: | 2023年1月12日

2023年1月11日、新破産者マップに対する新しい動きがあった。個人情報保護委員会が、新破産者マップ(URL:hasanmap.org)の運営者を警視庁に刑事告発したという。個人情報保護委員会が、個人情報保護法に違反したとして刑事告発したのは、日本で初めてのことになる。この件については、ヤフーニュースをはじめ、各種ニュースサイトに取り上げられている。

個人情報保護委員会は、新破産者マップについて「破産手続き開始決定又は民事再生手続き開始決定を受けた個人の指名及び住所といった個人データが、不特定多数の者による当該個人に対する人格的・財産的差別が誘発されるおそれがあることが十分に予見できるにもかかわらず、インターネット上に公開されている地図データと紐付けられる形で表示されており、もって、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法により個人情報が利用されている」として、個人情報保護法第19条に違反する事実があるとしている。

2022年3月、「破産者情報通知サービス」(政治団体オープンサイエンスが運営し、現在はデータの第三者提供停止中)が個人情報保護委員会から、サイト停止命令を受けた。その後、サイトに対する命令取消しを求め、東京地方裁判所で個人情報保護委員会と裁判をしている私からみると「破産者情報サイト」は新たな局面にはいったといえる。

「旧破産者マップ」「モンスターマップ」「自己破産・特別清算・再生データベース」「破産者情報通知サービス」。。。これまで数々の破産者情報サイトが生まれ、個人情報保護委員会からの命令を受け、破産者情報サイトは閉鎖していった。

ところが、新破産者マップは、それまでの破産者情報サイトとは違い、個人情報保護委員会による「勧告」「報告徴求命令」にも従わないばかりか、「サイト停止命令」にも応じず、「刑事告発」された現在においても、破産者データを更新し続けている。

私のところには、今回の報道で「新破産者マップ」を知り「近所に破産者が5人もいた」「同じマンションにこれほど破産者がいるとは知らなかった」「同級生だった知人が破産しているのを見つけた」との報告が次々と寄せられている。「新破産者マップ」は現在も稼働しており、個人情報保護委員会やメディアは「新破産者マップ」の宣伝に手を貸した形となっている。

新破産者マップ5」への80件のフィードバック

  1. 匿名

    破産者を広く知らしめるのは公益にかなってるんじゃないのか
    そのための官報だろ

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  2. 匿名

    見たら嫌いな同級生の弟が自己破産してたw
    破産者は信用がないんだから、
    こういったサイトは必要
    詐欺などを未然に防げる

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  3. 匿名

    興味本位で見てみたら、幼馴染のお母さん、破産してたな。
    誰にも言えないけど。

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  4. 匿名

    国が広く世に発表した内容をまとめただけで罰せられるのか。
    という問題が本件はどうしてもついて回ってしまうかと思うので、司法判断がどう下るのか非常に興味があります。

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  5. 匿名

    官報に情報源があり、それを地図上に表示。
    個人情報保護法に抵触するのだろうか

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  6. 匿名

    パブリックになってる情報を地図にプロットしただけで問題になるわけがないんだよね。
    公になってる時点で個人情報では無くなってるからね。

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  7. 匿名

    現時点においてある者が破産者であるかどうかについては、金融機関や不動産業者などの契約当事者や公的免許・許認可の権限を有する者などは知る必要があり、氏名と生年月日、住所地などで本人であることを特定する必要性があります。
    そもそも破産や倒産の制度とは、そういうシロモノですよ。
    ただし、破産者情報にアクセスできる場合や、アクセス権者、情報管理者、情報提供などに関する体制が法制度化されているかどうか、また、復権後も何年も閲覧できる状態にあるのかが罪に問えるかどうかにかかわると
    現況では官報掲載ということになているだけで、厳格な管理運用などなく野放し同然ではないでしょうか。
    また、CIC(個人信用情報機関)のデータベースでは、大昔から、破産、倒産情報を含めた不良先登録などの運営がなされていると思います。それらの情報の期限などは業界の自主規制でなされていると思います。

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  8. 匿名

    これは難しい問題です。破産者が被る被害も理解できるのですが、しかしその元となる個人情報は官報に掲載されている情報です。
    日本の場合は、秘密の取り扱いが曖昧なのですが、米国であればどんな重要機密であっても公知になった途端、その情報は機密情報ではなくなります。
    破産者サイトが個人情報保護法上違法なのであれば、金融機関が運用しているブラックリストはどうなのか。
    破産者サイトにより破産者が被害を受けたことによる刑事告発ではありますが、どのような審判が下るのか目が離せません。

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  9. 匿名

    官報に掲載されるのと、金融機関等が裏でブラックリストを持っておくのと、インターネット上でデータベース化されて検索できるようになるのとではそれぞれインパクトが違うので、どのラインまで可かはコントロールしないとね
    前2つは手間を掛けてアクションをしないと入手できないけど、3つ目は興味本位で検索して確認できるのでハードルにだいぶ差があるし

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