岡本太郎展覧会

投稿者: | 2022年11月27日

岡本太郎の若い頃から晩年の未完成作品まで、一度に見れる展覧会があると聞いて行ってきた。ニューヨークの美術館に所蔵している作品も見ることのできる貴重な展覧会である。

日本の美術館では、その芸術家の作品が年代順に並べられ、その芸術家の人生の移り変わりを見れる機会はとても少ない。特に海外の芸術家になると、日本ではまず見ることはできない。岡本太郎は日本出身の芸術家であるとはいえ、若い頃から死の直前までの作品を見れる機会はなかなかない。

会場の様子。コロナ感染症の影響で、入場は予約制となっていたが、当日券が販売されていたので、予約せずに入場することができた。会場には作品を見ようと、多くの人が来ていた。岡本太郎の絵は、制作年代にもよるが、カラフルな絵が多い。会場をみると、色鮮やかで、台湾の彩虹眷村を訪問した時の記憶が蘇った。

今回の展覧会。印象的な作品も多かったが、特筆すべきは、作品の「説明文」と、音声ガイドの「説明」である。作品の説明文は、とても分かりやすく、作品のことをよく知る専門家が文章をよく練って書いているとの印象を受けた。日本の美術館の作品説明の文章の多くは、レベルが低く、何も分かってないような人(学芸員??)が書いていて、読む度にがっかりさせられるのだが、今回の展覧会の説明文は、とても分かりやすく、勉強になるものであった。

音声ガイドの「説明」もよかった。展覧会に行くたびに、音声ガイドを借りるのだが、事前に準備されている「説明文」そのもののダメダメさもあるのだが、それに輪をかけて、やる気のない、カネになるから、棒読みしましたという音声ガイドがあまりにも多い。たいていの音声ガイドは、有名俳優が吹き込んでいるのだが、言葉の端々から、この俳優はその展覧会に全く興味もない上、読み上げている文章の背景についての教養もないだろうことが伝わってきて、1つか、2つほど説明を聞いただけで、興味を失ってしまうものも多い。

ところが今回の岡本太郎の展覧会の音声ガイドは、用意されている文章もよかったというのもあるのだろうが、それを読んでいる「阿部サダヲ」さんという俳優さんがとてもいい味を出していて、最後の説明まで聞いていたが飽きなかった。途中、興味深い説明があり、何度か聞き返すところもあった。

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