サンパウロを旅行したときの現地の状況(2023年2月)について、メモを残したいと思う
<空港から市内までの移動> グアルーリョス国際空港(Aeroporto Internacional de Guarulhos)からサンパウロ市内までは、UBERが便利。空港から市内まで1500円ぐらい。鉄道で市内で行く場合、国際線の飛行機が到着するターミナル3から、空港最寄りのAeroporto-Guarulhos駅まで無料の巡回シャトルバスがあり、Aeroporto-Guarulhos駅から電車にのれば、市内の各駅にアクセスできる。料金は250円ぐらい。Aeroporto-Guarulhos駅では、クレジットカードによる切符の購入はできず、切符購入にはブラジルレアル現金が必要。鉄道は夜間でも警備員が乗り込んでおり、車内も明るく安全に移動できる。サンパウロ市は、駅の中や列車の中は安全だが、駅の外に出ると安全とはいえない。特に夜間、日没後以降の移動は、ウーバーなどの配車アプリを使って移動するのが安全。
<宿泊> ホテルの料金と安全性には一定の相関関係がある。入り口に警備員が24時間常駐しているホテルがよい。パウリスタ通り(Av.Paulista)に面しているホテルに宿泊したが、とても使い勝手がよかった。具体的にはコンソラソン駅(Consolação)周辺のホテルがよかった。コンソラソン駅周辺のホテルは、サンパウロ市内の中心部に位置していることもあり、市内のどこへ移動するにも便利。銀行、両替所、ショッピングモール、スーパーも近く、おいしいレストラン、カフェが多くある。この通りは、警備員や警察官が巡回しており、人通りもあるので、昼間は安心して外を歩ける。
<警察官へのヒアリング> サンパウロの警察官にヒアリングをした。夜7時から朝4時までは危ないのでホテルから外出をしてはいけない。パウリスタの通りは、昼間は安全だが、日没後は危険。もし外出する場合は、ウーバーを呼んで移動すること。ポケットにiPhoneをいれていたり、iPhoneを手に持っていると、強盗にあうので、iPhoneはホテルに置いておくこと。強盗にあったときに、現金がないと銃で撃たれることがあるので、20~30レアル(ヘアイス)(日本円で600円~900円)は、ポケットにいれておくこと。地下鉄セー駅(Sé)やセー駅近くにある大聖堂(カテドラル・メトロポリターナ、Catedral Metropolitana de São Paulo)はサンパウロ市内でも特に危険なので昼間でも、近づいてはいけない。周辺では薬物の売買が行われており、薬物中毒者や路上生活者が多く、銃撃事件や強盗事件が頻繁にある。
<言葉> サンパウロ市内は、ポルトガル語が使われている。英語はほとんど通じない。ワン、ツーといった簡単な数字も通じないことは珍しくない。この理由を現地の人に尋ねてみたところ、学費の高い私立では英語を教えているが、公立学校では英語を教えていないため、英語がわかる人は少ないとのこと。ポルトガル語で数字や簡単なフレーズを覚えておくと、意思疎通がスムーズになる。サンパウロ市内の識字率は高いので、こみ入った話は、翻訳アプリを使うとスムーズに行える。日本人街のある「Japão – Liberdade駅」周辺のお店では、韓国系や中国系のお店が多い中、日系人が経営している店があり、簡単な日本語が通じることがある。
<予防接種> WHO(世界保健機関)の資料によれば、サンパウロは黄熱病の予防接種が推奨されている地域である。黄熱病の予防接種をしないとブラジルに入国できないわけではないが、サンパウロは黄熱病患者が発生する地域なので、サンパウロに行くときは黄熱病の予防接種をしていったほうがよい。日本では黄熱病の予防接種ができる場所が限られているので、旅行日程がきまったら、早めに予防接種の予約をしたほうがよい。費用は接種する機関によって異なるが、およそ2万円ぐらいである。1度、黄熱病の予防接種を打つと、生涯有効である。接種すると接種証明書(黄色い紙)が接種機関より発行される。
<両替> 多くの店、レストランでクレジットカードが使える(暗証番号必要)。機械の読み取りがうまくいかない、何らかのエラーが発生する等、現金(Dinheiro:ジンエイロ)が必要となる場面も多い。サンパウロ市内で、日本円からブラジルレアルへの両替は、基本的にできない。日本人街のある「Japão – Liberdade駅」の近くにある旅行会社「Tunibra」(ツニブラ旅行社)で、日本円からブラジルレアルに両替できるとの話を聞いたので、ツニブラ旅行社に行ってみたが、店舗は閉鎖されているようで、日本円からブラジルレアルへの両替はできなかった。
サンパウロ市内には銀行があるが、どの銀行でも外国紙幣の両替はできなかった。「Câmbio」(カンビオ)はポルトガル語で両替所だが、外国紙幣の両替ができる両替所がサンパウロ市内に何カ所かあった。Western Union(ウエスタンユニオン)が一番レートがよかった。Western Unionでは、日本円からブラジルレアルの両替はできず、米ドルからブラジルレアルの両替が可能だった。両替には、パスポートの原本提示が必要である。パスポートのコピー提示による両替は認められない。ウェスタンユニオン以外の、他の両替所でもパスポートの原本提示が必要だった。100米ドル札と、100米ドル未満札による両替レートに違いのある国や金融機関があるが、サンパウロ市内の両替所は、同じ両替レートだった。発行年数が古い米ドルについては受け取りを拒否されるので、発行年数が古い米ドル札については、出国前に両替しておいたほうがよいだろう。一定期間における両替回数に制限がある。毎日1回両替を行うと1週間目で、規定回数を超えているとのエラーがスタッフの見ている画面にでるようで、両替ができないといわれる。別のウエスタンユニオンの店舗にいけば、問題なく両替ができる。
<交通> サンパウロ市内の移動は、電車、ウーバーが安全かつ便利だ。夜間帯の移動も問題ない。安全性が乏しく、ボッタクリも少なくないことから、サンパウロでは流しのタクシー利用は、避けた方がよいと聞いていたが、何も問題はなかった。ウーバーの運転主、流しの運転主のいずれも、英語による意思疎通は難しいので、事前準備が必要。サンパウロからサントス (Santos)に行く際、長距離バスの利用には、パスポートの原本提示が必要だ。パスポートの原本がないと、バスのチケットが買えない。サンパウロ市内の電車の乗り方について。改札手前にある有人窓口で、行き先の駅名を告げ、現金で料金を支払う。クレジットカードは使えない。料金支払後、QRコードがついた切符代わりのレシートをもらう。駅構内に入る際、機械による改札があり、QRコードがついたレシートを機械にかざし、入場する。サンパウロにも、交通系ICカードシステムがあるようだが、尋ねたところ、外国人は購入できないようである。
<レンタカー> 「観光客がサンパウロで車を借りて運転することはやめた方がよい」と警察官やタクシー運転手からアドバイスを受けた。ファベーラと呼ばれるスラム街が、サンパウロ市内に無数にあり、間違えてそのエリアに入ると、銃撃を受けるおそれがあるからだという。「絶対に、サンパウロでレンタカーを借りて運転するな」と強く私にいった、ドイツに住む親戚をもつタクシードライバーがいた。「先週、親戚がドイツからサンパウロにきて、レンタカーを借りた。カーナビゲーションの通りに道を進んだら、左で道を曲がるところを、右に曲がってしまった。そうしたら、交差点にいた男に、銃で撃たれ、足から大量の出血をした。救急車を呼んで、命は助かったが、道を間違えるだけで、命を落とす可能性がある。地元の人は、どこがファベーラ(スラム街)なのかわかるから、そこには近づかないが、観光客だとその場所が分からないから、近づいて、命を落としてしまう。だから絶対に、サンパウロでレンタカーを借りて運転するな」
<SIMカード> 多くの国では、外国人であっても、現地の空港や家電量販店でSIMカードを契約し、使用することができる。しかしブラジルでは、SIMカードの開通にブラジル人が持つID番号がないと開通できないようだ。家電量販店の店員さんが、融通を利かせてくれたことで、SIMカードを開通できたとの話を見聞きするが、基本的には、外国人は、ブラジル国内では、SIMカードを契約し、使用することはできないと考えた方がよい。
<薬局> サンパウロ滞在中、指先が炎症を起こした。近くの薬局にいった。薬剤師に症状を説明し、抗菌薬が買えるか尋ねると、医師の処方箋なしで抗菌薬がはいったクリームを買えるという。ブラジルの製薬会社「União Química」が製造しているPolidermsという商品を購入。ゲンタマイシン。60ブラジルレアル、日本円で1800円。この薬はとてもよく効いた。帰国後、購入した抗菌薬が、海外旅行保険の支払対象にならないか、損害保険会社に問い合わせ。医師の処方箋や医師の指示による薬剤購入でなければ、海外旅行保険の支払対象にはならないと電話で説明を受ける。支払われなくてもよいと、期待値ゼロで、損保会社に書類提出。すると1ヶ月後、口座に満額が振り込まれていた。